事前に聞き及んでいた評判に漏れずシーズン7&8が残念だった……。ただチーム体制のシナリオ制作にはさまざまな問題が起きるものだからそこまで怒る気にはなれない。
メインプロットに数々の違和感(なんなら矛盾とさえ言っていいレベル)が存在していたのは擁護できないと思う。とくにホワイトウォーカー捕まえ編は全部が変だった。というか夜の王まわりすべてがチープで最悪だった
いろいろなひとのレビューを検索したけど、この記事の箇条書きがぼくの感想そのままなので割愛。
とくにおもしろかったシーズン1~4のことを思い返すと、とにかくヒューマンドラマの描き方がすばらしく丁寧だったなと思う。手法からして違う。アリアがタイウィンのところで小間使いをやっていた、あの一連の場面の尺の取り方は、最後の駆け足のGoTにはやる気のない厚みがあった。唸るしかなかったシェイ周りの描写も。やはり時間をかけて作るドラマは違うんだよな。
シーズン5まではすばらしい描写ばかりだったけど、個人的には何度か触れているようにシェイがいちばんだったと思う。とくに心情が明確になっていないのがよかった。はじめからタイウィン側だったと言われたらそうかもしれないし、途中で嫉妬に狂ったと言われたらそうかもしれない。この遊びの部分が上質なドラマのあかしだったと思う。
群像劇のパートとしてはアリアが好きだった。序盤のシリオとの訓練も、ハウンドとのふたり旅、子連れ狼の物語も、ぶきみな殺し屋の話も、どれも味が違ってよかった。
GRRMがとっとと原作を終わらせていればこうはならなかっただろ、という批判については同意できない。ドラマよりずっと濃い内容の話をひとりで最後まで書くというのは生半可なことじゃないので、ひとつの章に10年かかったとしてもぼくは怒ることができない。GRRMの挑戦は、ほとんど叙事詩を書きあげようとすることに近いので、存命のあいだに終わらせてもらえればそれ以上のことはない。
ドラマで筋を追ったから、逆にここから原作の続きに帰ってもいいなと思えた。
それにしても夜の王まわりのご都合展開とほっぽり具合はマジでサイテーだったな。地球教だよあいつ