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kokoha tekitou kousin blog jayo

時代の変遷

 一時代が終わり、つぎのステージに行くのは流動的なものだから、おうおうにして中の人は気づきづらいものらしい。インターネット、社会情勢、経済なんかはとくにそうだなと思う。

 ツイッターは土着の宣伝ツールとしての役割をほぼ終えて、もはやなんでもない場所になってしまった(なので人間の毒素やら悪意ばかり見える最悪の空間になった)。文庫発のライトノベルは新刊だろうと市場に存在を知られることがほとんどまったくなくなって、そればかりは1冊あたり150円〜200円も単価が上がった(反面、作者の報酬は減った)。ぼくがデビューしたころは、本当にまだマシな情勢だったなと思う。筆名のツイッターアカウントを作った数日後、二子玉川の古風な喫茶店で、煙草を吸いながら、近くの書店で買った同期の本を読んでいたのは4年半前である。

 4年半が長いのか短いのか、そんな簡単なことも判別がつかなくなってきた。

 ちなみにその喫茶店は今はもうなくて、韓国のチキン屋になっている。一般書店は潰れてはいないが、ライトノベルはとうに置かなくなった。

 

 このさき、不況も締め付けもますますひどくなっていくんだろうなと思う。ぼくも好きなストリーマー業界が時代に逆行して豊かなのは、基本的にサービスの享受者が支払っているものが、金銭ではなく時間だからだ。個々人に元手となる金はいらない。みんな気づいているが、ひとの時間は金になる。

 ストリートファイター6はたかだか8000円で数百時間もプレイできる名作で、それどころかストリートファイターの大会やストリーマーを見ていればそれ以上の時間も潰せる。原神インパクトは月に1000円程度の課金で、何年ものあいだ上質なシナリオと「お仕事ゲーム」としてのすばらしい体験ができる。

 ぼくが中高のころに比べて、娯楽の形態は驚くほど変化している。時間が金銭に換算されるシステム、資本主義の真髄を感じながら、みかんを食べている。